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2年位前にクランクアップの話題を聞いてから早幾年。ようやく大阪でも公開。
第七藝術劇場へは初めて行く。てか、十三で降りたの初めて。西九条のシネヌーヴォに雰囲気似ている。
まあ、松嶋屋贔屓は必見ですな。仁左衛門さんだけでなく秀太郎さんも食堂の客として(顔すら映らないけど声でわかった)特別出演。客席が映る度、目ぇ皿(笑)。けっきょく出てたんはラストの半次引退公演で、注意してんでもわかるくらい大きくドン。
出征する半次と雪夫と政男がメインの『太十』、武智光秀役がうまいな〜と思ったら、嘉島典俊くん。やはり素人さんはいわずものがな、俳優さんでも発声の仕方が違うのか科白回しが全然違う。ヒロインの麻生久美子も動きはそれらしく見えてもセリフは歌舞伎じゃないから違和感あり。村歌舞伎の本質からいえば、あの3人のが異質なのかもしれないけど。
子ども時代の半次をやった子がめちゃ可愛い。半次も雪夫も可愛くてうまい。この二人のがんばりがこの作品を支えていると思う。
それはさておき、真面目な内容なんだけど、ついね、あらぬことを考えてしまう。
舞台で踊る雪夫を見て心奪われ歌舞伎に興味を示す半次。反対するじっちゃんに懇願してまで半次を歌舞伎に誘う雪夫。
だいたい、女性も舞台に立つ村歌舞伎で、なんで半次はわざわざ女形なのよ。
んで、初舞台の出番直前、袖で半次が雪夫に「怖い、、、失敗したらどうしよう」とつぶやくと、雪夫は半次の手をぎゅっと握って
「大丈夫、板の上ではいつも一緒だ」
これってー、めちゃ口説き文句!子供のくせに雪夫ったら。扮装が梅川忠兵衛だからよけいに汚れた妄想をばしてしまうのだ。
そして後年、盲目になった雪夫が何十年振りかに故郷で半次と『新口村』をやる出番直前の袖、今度は雪夫が「怖い、失敗したらどうしよう」とつぶやき、半次が雪夫の手をぎゅっと握って
「大丈夫、板の上ではいつも一緒だ」
くぅ〜っ、もうっ、やらしすぎっ。友情を超えた友情、決してあっち系ではないんだけど、やっぱり、この二人にあらぬ妄想。子供のころから始まって、出兵中もロシアで捕虜として強制労働させられている時もずぅ〜っと一緒だったから、もう魂を超えた存在なんだろう。オスカルとアンドレ、違うか。
クライマックス、半次の引退公演。歌舞伎を初めて見た時雪夫が踊ってた舞踊を踊るシーンは、無様な格好を見せつつも踊り続ける気迫とエネルギーに魅せられる。普段の舞台では決して観ることのない姿と演技。孝太郎さん、すごい。
静かに悲惨な戦争と村歌舞伎にかける二人の情熱と美しい自然、物語自体はとても切なく美しい。観ている方はやましいことを想像しながらも(アンタだけ)、じわじわ心に沁みこんでくる感覚にほっとさせられる。号泣している人もいたけど、そんな激しい感情はなかったな。
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