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5/6天満天神繁昌亭ゴールデンウィーク特別興行 第二回

 投稿者:まゆ  投稿日:2009年 7月24日(金)14時25分2秒
  繁昌亭は2か月ぶりかな?他にも気になる日はあったけど、予定その他鑑みてセレクト。
米二さん、福笑さんを柱に文昇さんを聴いてみたかったのだ。メンツ的にハズレはなさそうだと思ったけどそのとおりだったので嬉しい。この休みが終わればまたストイックな日々が始まるからね。

GW興行トータル14回目なのにまだ出てなかったのか『時うどん』。次の日のうどんがまずくなかった。さてお金を払う段になってうどん屋が「けっこうです、いりまへん、はよ帰っておくなはれ!」「そんなこといわんと受け取ってぇな、わい金を払いとうてしゃあないねん」に爆笑。イラン云われたのにワザワザよけめに払う破目になるというのは皮肉(笑)。最初は笑いが少なかったけど、徐々にあったまってイイ出だし。

瓶太さん曰く「持ち時間15分で落語は3分です」とお客さんとコミュニケーションを図るような枕。途中から相撲の話になったので、『相撲場風景』で逃げるのかと思いきや『大安売り』。最初の四股名は仕込み忘れ?久しぶりに聴くからか、あれやこれやの負けっぷりが可笑しかった。

初めて聴く文昇さん、前から聴きたかったのよ。雷蔵に似てない?
ちょうど先日奈良に行った時、博物館へ行くのにいつもと違う道を行ったら「三作石子詰跡地」に遭遇。

襷十字にあやなした吉次さん、落語の『がまの油』実演版。口上はよどみなく、立派。この方の落語は正直全然おもんないけど、これはわりとおもしろかった。ホンマにするわけではないのね。当然か。銃刀法違反だ。

枕で幽霊お化けの話を振られたのでまさか『皿屋敷』?と思いきや、『ろくろ首』。中トリで『ろくろ首』、このバランスがさすが。そして文句なしにおもろい。米二さんの『ろくろ首』は初聴き。しばらく新作が続いたのでそれも嬉しかった。

前に別の会で聴いたことのある蝶美蝶子さん。蝶子さんと結婚してもいい人〜と客席にふったら、間髪入れず手を挙げたおじさまあり。その勇気とツボを心得たシャレ心に感心。挙手する人いなかったら終わらへんからね、この漫才(笑)。

仁嬌さん、たぶん前に聴いたことがあると思う。『替り目』は半ばまで。嫁はん好き!愛してる!はちょと照れた。

トリは福笑さん。前日の三代目襲名50周年記念会にも出てはって、いじわるな人から「明日も『はははぁ家族』や」と云われていたのでちょとドキドキ。枕は昨日とほとんど同じ新型インフルエンザの話、ゴホゴホゴホ。病気の噺、、、、ときていよいよ観念したところで「、、、では陰気になるので陽気で楽しい祭の噺を」と始まったのが『大道易者』。おっしゃあ!
やっぱりベタなダジャレのオンパレードなんだけど、笑ってしまうんだな。

『時うどん』 林家 染弥
『大安売り』 笑福亭 瓶太
『鹿政談』 桂 文昇
「がまの油」 露の 吉次
『ろくろ首』 桂 米二
「漫才」 ミヤ 蝶美 蝶子
『替り目』 笑福亭 仁嬌
『大道易者』 笑福亭 福笑
 

5/5襲名50周年記念 桂春團治落語会

 投稿者:まゆ  投稿日:2009年 7月24日(金)14時22分51秒
  芸能生活60年、喜寿記念に続いて今年は襲名50周年記念会。この上は少しでも長生きしていただいて上方落語会頂点のお一人として燦然としていたきたいものです。

開口一番の壱之輔さんはだいたい『転失気』か『平林』が多い。今回は後者。口うつしの箇所も短めで全体的にテンポよく進んでよかったと思う。

今回の三喬さんは盗人ネタではなく『首の仕替』。『色事根問』の箇所はサワリだけですぐに本編へ、やや苦しいダジャレも快調?で、随所の小ネタで笑わせられる。ところでいつも思うのは、代金を前の首に払わせるんなら1千万円のんでもよかったのでは。

また『有馬小便』かと思わせといて(勝手に思っただけだから、春若さんに罪はないけど)、「米朝師匠とお弟子さん数人しかやらない」「珍しい噺」とふって始まったのは『禍は下』。定吉が御寮人さんにいいわけするくだりはつい聴きなれた宗助さんの口調を思い起こさせるが、全体的にはご本人が枕でおっしゃった通り、あまりおもしろくなかった。おもしろくないと云うからにはおもしろくしなきゃね、と思う。

またしても春團治師匠のモノマネ枕に爆笑。リニューアル版『はははぁ家族』は、いつもに比べてちょとパワーダウンな印象を受けるものの、なんじゃかんじゃと笑いの渦の連続。あまりの節操無さにバチも当たらんと思わせる各宗教のお題目?のオンパレード、改めて日本は多宗教なのねと思う。

自身にまつわるあまり笑えない枕を経て始まったのは『七段目』。これで春團治師匠の『親子茶屋』はなくなったなと少々ガッカリ。
前半おこごとでの芝居のマネは、なんとなく元ネタの芝居をご覧になっていないのでは、と思わせるザツさ。とはいえ、こなれた得意ネタだけにトータルではおもしろかったと思う。二階に上がった若旦那が最初一人で五段目のくだりを再現するのは初めて見るパターン。団十郎のモノマネに爆笑。

薄紫の着物をお召になって登場、本日の主役。ごあいさつを聴きながら、正直『祝のし』だったらイヤだなぁとドキドキしつつ、『高尾』が始まったのでほっ。
前半はかみ合わせ?も快調で調子よく、かなり絶好調。高尾がすうぅーっと浮かび上がるところは幽玄で美しく。今回下手に座っていたので、ビラビラがわりの扇子でお顔がよく見えないのが残念。
聴きなれたなんでもないところなのに、やっぱり自然と笑いがこみ上げる。春團治師匠さまの喜六、かわいくて好き〜。

『平林』 桂 壱之輔
『首の仕替』 笑福亭 三喬
『禍は下』 桂 春若
『はははぁ家族』 笑福亭 福笑
『七段目』 桂 米團治
『高尾』 桂 春團治
 

「鑑真和上展」 at 奈良国立博物館

 投稿者:まゆ  投稿日:2009年 7月24日(金)14時20分16秒
  すいません、同会場開催の落語会のついでのつもりでしたっ。でも見ごたえ充分で、国宝・重文がずらり。時代も平安から鎌倉のものが大半で、重厚さに拍車をかけている。

鑑真和上の坐像、日本最初の肖像だとか。完璧なシンメトリーが見事な作。国宝。
「五大尊像」の軸物5種、描かれているのは顔や目、腕や足がいくつもあるような恐ろしい形相の神様。ポーズや動きも激しく、かなりアグレッシブな印象。
「十六羅漢像」の軸は妙にストーリー性のある画面で、見ていて飽きないというか、なんともいえないおもしろさがある。内容が分かればもっとおもしろいんだろうな。

第二会場後半にある釈迦如来像がとてもスレンダーで美人、まるで松本零治が描く女性のよう。神秘的とすら思わせる美しさ。他にも首や腕のないトルソー状態の如来様も腰のくびれが美しく、魅せられる。

唐招提寺の東山魁夷の障壁画。回顧展で観たアレに再び出会えるとは。穏やかで水分を含んだような画面にうっとり。
今年、解体工事をしていた唐招提寺が無事完成する年ということで、今回の開催となった様子。屋根の解体から組み立てまでを写真付きパネルで詳細に説明。そのプロジェクトのすごさと気の遠くなりそうな作業のあれこれを感じ、やっぱり文化財保護の仕事はいいなぁと思う。

展示物が大きいのでわりとすぐ観れて、それもよかったと思う。
 

5/2まほろば寄席 第6回

 投稿者:まゆ  投稿日:2009年 7月24日(金)14時19分7秒
  奈良って近い。かかる時間は繁昌亭と同じくらいかも。特別展も観たいから、「奈良を習おう」。
舞台一面金屏風で覆われていて眩しい。ライトの反射も手伝って、目くらまし効果充分。。。。。何とかしてほしいと思う。「まほろば」というより「ジパング」だ。

佐ん吉さん、おきまり枕とはいえマニアに侵されていない地方寄席、とても受けていていい感じ。表情も明るいし、楽しんでやってはるのが伝わる感じ。「ちょーずっまわしてくれと」が雀五郎さんのとダブる。

ご自身のお稽古ごとの枕からお得意の『稽古屋』。『色事根問』の箇所は四芸まで、宇治のホタル踊り入り。踊りの稽古のくだりはさすが下座が和女さんなせいもあって息ぴったり。「喜撰」の歌は客席から拍手が起こるくらいに鮮やか。途中で切りはるかなと思ったけどやっぱり最後までで、約30分の熱演。

つい最近文華さんの『二人くせ』を聴いた記憶あり、てっきりおさらい会でやりはったと思ったけど違った。手馴れてはるはず。枕の「カフェバー」に時代を感じさせる。

「国立」博物館開催の落語会でまさか『日本の奇祭』が出るとわ。わざとらしいまでに下ネタの嵐なんだけど、あまりお下品に感じられないのは小春團治さんのニンか。小春團治さんの声質と中国銅鑼のジャーンジャーンジャーンという音は似ている。えらいハマってた。
そういや先日みうらじゅんの著書で全国各地の奇祭を集めたやつが出てたっけ。誇張ではなく、ホンマにこんな祭あるのかもねと改めて思った次第。

『手水回し』 桂 佐ん吉
『稽古屋』 林家 染雀
『二人くせ』 桂 文華
『日本の奇祭』 桂 小春團治
 

「Beauty〜うつくしいもの」

 投稿者:まゆ  投稿日:2009年 7月24日(金)14時17分5秒
  2年位前にクランクアップの話題を聞いてから早幾年。ようやく大阪でも公開。
第七藝術劇場へは初めて行く。てか、十三で降りたの初めて。西九条のシネヌーヴォに雰囲気似ている。

まあ、松嶋屋贔屓は必見ですな。仁左衛門さんだけでなく秀太郎さんも食堂の客として(顔すら映らないけど声でわかった)特別出演。客席が映る度、目ぇ皿(笑)。けっきょく出てたんはラストの半次引退公演で、注意してんでもわかるくらい大きくドン。

出征する半次と雪夫と政男がメインの『太十』、武智光秀役がうまいな〜と思ったら、嘉島典俊くん。やはり素人さんはいわずものがな、俳優さんでも発声の仕方が違うのか科白回しが全然違う。ヒロインの麻生久美子も動きはそれらしく見えてもセリフは歌舞伎じゃないから違和感あり。村歌舞伎の本質からいえば、あの3人のが異質なのかもしれないけど。

子ども時代の半次をやった子がめちゃ可愛い。半次も雪夫も可愛くてうまい。この二人のがんばりがこの作品を支えていると思う。
それはさておき、真面目な内容なんだけど、ついね、あらぬことを考えてしまう。
舞台で踊る雪夫を見て心奪われ歌舞伎に興味を示す半次。反対するじっちゃんに懇願してまで半次を歌舞伎に誘う雪夫。
だいたい、女性も舞台に立つ村歌舞伎で、なんで半次はわざわざ女形なのよ。
んで、初舞台の出番直前、袖で半次が雪夫に「怖い、、、失敗したらどうしよう」とつぶやくと、雪夫は半次の手をぎゅっと握って
「大丈夫、板の上ではいつも一緒だ」

これってー、めちゃ口説き文句!子供のくせに雪夫ったら。扮装が梅川忠兵衛だからよけいに汚れた妄想をばしてしまうのだ。
そして後年、盲目になった雪夫が何十年振りかに故郷で半次と『新口村』をやる出番直前の袖、今度は雪夫が「怖い、失敗したらどうしよう」とつぶやき、半次が雪夫の手をぎゅっと握って
「大丈夫、板の上ではいつも一緒だ」

くぅ〜っ、もうっ、やらしすぎっ。友情を超えた友情、決してあっち系ではないんだけど、やっぱり、この二人にあらぬ妄想。子供のころから始まって、出兵中もロシアで捕虜として強制労働させられている時もずぅ〜っと一緒だったから、もう魂を超えた存在なんだろう。オスカルとアンドレ、違うか。

クライマックス、半次の引退公演。歌舞伎を初めて見た時雪夫が踊ってた舞踊を踊るシーンは、無様な格好を見せつつも踊り続ける気迫とエネルギーに魅せられる。普段の舞台では決して観ることのない姿と演技。孝太郎さん、すごい。

静かに悲惨な戦争と村歌舞伎にかける二人の情熱と美しい自然、物語自体はとても切なく美しい。観ている方はやましいことを想像しながらも(アンタだけ)、じわじわ心に沁みこんでくる感覚にほっとさせられる。号泣している人もいたけど、そんな激しい感情はなかったな。
 

4/29宵酔落語会クラシック

 投稿者:まゆ  投稿日:2009年 7月24日(金)14時15分1秒
  普段は土曜の昼開催なので、初参加。高津の富亭へ行くのは何年ぶりか。
噂に聞き及びし座談会は、不適切な発言によるお詫びの嵐。真偽のほどは定かでないが、とにかくウラ話的内容は爆笑の嵐。お隣の若いお嬢さん2人は落語初心者の方らしく「詳しい人向けの会」との認識のご様子。うーん、今まで何回落語会に行ったのか、来場の経緯もわからんけど、いきなりコアな会に来られましたね〜。

福車さん、珍品?『豆屋』。生喬さんで聴いたことがあるだけ。豆屋さんは小心者のくせに妙に度胸が据わっていたりする。
遊喬さんはたぶん、繁昌亭での宵酔以来か。こっちでもレギュラーになったんですね。思わず「詰まらん」といいそうになりそうな「詰まろかな」の迫力が独特。

文華さんはおさらい会でやりはった『太鼓腹』。そん時は出来がも一つとの感想を述べてはったけど、さっそくかけてんやん。始まってすぐのたたみかけるような繁八のべんちゃら攻撃は勢いよく笑える。針を抜くくだりはやっぱり痛みが伝わってきて寒くなった。上手いのも考えもの。

うーん、出丸さんの『花筏』も前回まるまるで聴いたとこや。続くなぁ。最終日のどんどん人が集まってくる何気ない情景描写が出丸さんらしくて好きだわ。

「座談会」
『豆屋』 桂 福車
『二人ぐせ』 笑福亭 遊喬
『太鼓腹』 桂 文華
『花筏』 桂 出丸
 

四月文楽〜国立文楽劇場開場25周年記念

 投稿者:まゆ  投稿日:2009年 6月29日(月)13時22分43秒
  昼夜ともなぜか、補助席も出る満員御礼。今まで楽日だからってこんなことはなかった。25周年だからってこともなかろうし。そろそろ上方でもブレイクの予感?

今回はオープン時と同じ演目だとか。式三番叟が入るから前回開場20周年記念での千本通しとちょっと違う構成で、11時開演、昼夜の間が30分しかなくて21時20分終了予定と長丁場。気合を入れて1日篭る。
まずは『壽式三番叟』で舞台をお清め。そういえば今年、能、歌舞伎、文楽と立て続けに観ているなぁ。
綱大夫さん休演につき、千歳の呂勢大夫さんが翁。いつもは切場語りの人が担当の翁、と固定観念のせいか、年齢ってだけじゃなく、品格だか神格だかわからんけどちょと何か足りない気もする。人形は三番叟が玉女さんと勘十郎さんで糸のリズムに乗ってよゆーの楽しさ。休憩するくだりもいつもとちょと違うパターンだったように思う。アドリブか?


さて千本桜。
堀川御所は英大夫さんと清介さん。ここ数年の英大夫さんはどっかイマイチの印象だったのだけど、今回はかなりよかったように思う。川越太郎の気丈な中に親の愛が見え隠れ。
伏見稲荷は前に観た時とちょと道具が違うような。今回は歌舞伎のと同じだからすっかり忘れてたけど、前って鳥居の額から狐が出てきてなかったっけ?

渡海屋・大物浦、チラシでは「奥」となっていたけど、この公演から満を持して咲大夫さんが切場語りに昇格。前から重要なところを語ってはおられたけど、そう思って聴くからか重厚さが増し気合が入っているように聴こえる。床本で字を追うだけで涙が出てくるええ場面。安徳帝の言葉に万感の思いが。文雀さんの典待局はいわずものがな、玉女さんの知盛も迫力あってよかったかも。前は師匠と前後に分けて遣ってはったんだよねぇ。しみじみ。

すし屋はとにかく蓑助さんのお里がめちゃ可愛くて可愛くて、枕を徐々に近づけていくわかりやすい可愛さもあれば、全身?からにおう恥じらいとかね。

狐のケレンにはいろいろパターンがあって、その時によって出すもんが違うみたい。
前回と同じのもあれば違うものもあり。前回の文吾さん上を下への大活躍よりはおとなしめだったように思うが(仕掛けが観たくて四の切だけ幕観に行ったもんなぁ)、それでも人形の早替わりに人形遣いの早替わり、あっちからこっちから、最後の宙乗りまで存分に楽しめた。勘十郎さんお疲れ様っ。
しかし、小鼓の出演奏にあんな仕掛けがあったとわ〜。

第1部
『寿式三番叟』
通し狂言『義経千本桜』
初段〜堀川御所の段、二段目〜伏見稲荷の段、渡海屋・大物浦の段

第2部
三段目〜椎の木の段、小金吾討死の段、すしやの段
四段目〜道行初音旅、河連法眼館の段
 

第17回 歌舞伎鑑賞教室 at 京都南座

 投稿者:まゆ  投稿日:2009年 6月29日(月)13時17分33秒
  あいにくの雨で出足が鈍ったのか、開場10分ほど前着でも1階に座れた。
今年は幕が開くと、「石切梶原」のセット。九雀さんが手水鉢を斬る場面を再現して始まった。
幕についての説明あれこれと、おなじみのセリショー(勝手に命名)、南座解説、『京鹿子娘道成寺』のあらすじ説明。あらすじは口頭でしゃべるだけなので、そろそろなんか趣向をやってほしいところ。

そしておまちかね『京鹿子娘道成寺』。
人数と時間の都合により?所化ではなく狂言の衣装を着た強力2人の聞いたかで幕開き。段幕が引き上げられ後ろから現れたのは、白拍子花子。ううう、せっかく花道下手側に座れたのに、板付きとわ!間近で美しい姿を拝見できず、残念。
最初、白拍子の舞ではややぎこちなさがあったものの、娘になってからはブレることもなく美しく。
特に「恋の手習」は表情豊かな演技的舞踊なので、ストーリーがよくわかった。
あの、手を叩くところ。
例えば藤十郎丈はうれしそうにパチパチパチッとやる。それを美吉屋さんの表情と動きを見ていると、格子の向こうに愛しい人の姿が見えて思わず呼び止めようとする女の姿がみえる。『高津の富』の「まっちゃん、ちょっと」なのだ。
するとそのあとの一連の動きもストーリーがよくわかる。
もひとつ今回発見したのは、鞨鼓や鈴太鼓に美吉屋さんの紋が入っている。てことは小道具は演者の特注てことなのね。鑑賞教室のためだけに新調されたのね〜。後使うことあるのかしらとイランお世話。手拭も撒くとは思わなんだ。

おしむらくは、演者も後見さんも慣れていないからか、引き抜きがややもたつくこと。そろそろってなるとちょと段取に追われて踊りが疎かに。
とはいえ、大歌舞伎では決して観ることのできない美吉屋さんの道成寺。2000円で一等席以上にお得な会だったのだ。
 

「赤い城 黒い砂」 at 日生劇場

 投稿者:まゆ  投稿日:2009年 6月29日(月)13時15分6秒
  先行して南座でやっていたのに何故、日生劇場か?
南座の時はお茶会とかぶっていて行けなかったからだ。だからってワザワザ東京まで?日帰り不可能な歌舞伎座公演のついで、寄席もあまり行きたい番組がなかったし。
てなことで、再び日生劇場。
観れないなら観れないでかまわんかったのだけど、あらすじ読んでたらおもしろそうだったので、欲望がむくむくっと。

いやいや、ラブリンが今までのイメージがぶっ飛ぶほどのイメチェンというかビックリな役柄で、もーうワイルド&セクスィー。歌舞伎の舞台では聞くことのない科白のオンパレード、恥ずかしいほど修辞の嵐。とはいえ古典的な言葉で綴られているから、キザっちぃ科白も違和感はなく。
この上はもっと色気が出ればなぁ。「ワイルド&セクスィー」と云ってはいるものの、ややセクスィーさに欠ける。ラブシーンがうそ臭く感じる。まあ、ウソやねんけど。地下牢で獅童さんと戯れてる方がよっぽどドキッとしたわ。やっぱこの人ホモ受け、、、いやいや。

戦場のシーンはじめ立ち回りが盛りだくさんで、楽しかった。ただ、人によって持ってる刀が違って、兵士役や黒木メイサとかは諸刃のソードで刀さばきも西洋風。何故かラブリンだけ見るからに日本刀で、立ち回りもそんなん。獅童さんは中間というか、西洋風のようなチャンバラのような。でもスピードあって技巧も凝らしてあっておもしろかった。
武器商人の存在が複雑かつ、よりおもしろくなるような味付けでよかった。
演出は去年「かもめ」で演出していた栗山民也。最近、この名前をよく見かける。


おまけ
急病につき代演で、クジャ王役が津嘉山正種から中山仁に。中山仁にはやっぱり滅亡がよく似合う?
おもしろいことに稽古の段階から代演になったので、先行の南座のチラシは津嘉山正種だけど日生劇場のチラシは中山仁に差し替わっている。ちょとマニア心をくすぐられる一対の品。
 

四月大歌舞伎 at 歌舞伎座

 投稿者:まゆ  投稿日:2009年 6月29日(月)13時11分59秒
  今年2回目のさよなら歌舞伎座公演。
正月の文楽で勘十郎さんと嶋大夫さんの伊左衛門がめちゃよくて、そん時仁左衛門で観たいなぁと思っていたのを見透かしたの如くのこの番組。肩には「ご贔屓様お望みにより」とあり、ご贔屓さんリクエストありがとうて感じだよ。

『伽羅先代萩(めいぼくせんだいはぎ)〜花水橋、竹の間、御殿、床下、対決、刃傷』
7月の松竹座と同じく「竹の間」付半通しの先代萩。今回仁左衛門丈は八汐と細川勝元。
その他、政岡:玉三郎、仁木弾正:吉右衛門、荒獅子男之助:三津五郎、栄御前/渡辺外記左衛門:歌六、沖の井:福助、松島:孝太郎他の皆さん。

前に観て初めて玉三郎さんをいいなと思ったのが、政岡。今回も、これ目当てではなかったけど下向して観る価値充分、渾身の一役。御簾が上がって登場した膳を持つ政岡の美しさはいわずものがな随一。
飯炊きから政岡の乳母としての愛、親としての愛、それに応える竹千代君と千松の健気さ。ひもじいけどつかの間の心安らぐひと時に、この後の悲劇がいっそう際立つ。千松が死んでからのクドキよりこっちの方がよかった気がする。

仁左衛門さんは膝を痛めておられるのかな?立ったり座ったりがややぎこちなかった。八汐の憎々しさとふてぶてしさ、ガラリ変わって勝元公のさわやかさ、やっぱたまりませんのですわ。この方はやっぱ仁木より勝元公やね。
対するキッチーの仁木、「床下」の引っ込みはもひとつ怪しさが足りない感じがしたけど、「対決〜刃傷」は悪の魅力全開で、勝元公との緊迫したやりとりにニヤニヤ。「刃傷」の立ち回りとかはも少しこってりたっぷりしてほしかったけど、大上段に持ち上げられての退場までワクワクしっぱなし。

さりげなくフツーに端々まで配役がそれなりに豪華なのは歌舞伎座ゆえ東京ゆえ。くやしいけどやっぱ大阪は地方都市だわ。


夜の部
『彦山権現誓助剱(ひこさんごんげんちかいのすけだち)〜毛谷村』
六助:吉右衛門、お園:福助。
ずぅーーっと以前に観た吉右衛門の駒方茂兵衛を思い出した。
連日の無理に強行軍がたたってか、時間的にもお疲れがピーク、ついうとうとっと。しかし、前に観た時はいまいちわからなかった試合をしてやった相手が実は仇とわかる理由が解明。吉右衛門の六助さんはいかにもええ人〜いう感じで、ラストの怒りに燃える姿とのギャップがステキ(笑)。

『廓文章(くるわぶんしょう)〜吉田屋』
待ってました、仁左衛門の伊左衛門(ややこしい)。
笠で顔を隠していても匂いたつような立ち振る舞いに笑みがこぼれる。座敷に上がってからの一連のうそうそした行動と表情に会場全体が心浮き立つ心持ち。とにかく仁左サマの魅力全開、かわいくて無邪気ではんなりと色っぽく、一挙一動に目が離せない。落ちぶれても大店の若旦那、金が総身も納得のおおらかさと品の良さ。
そして相方の夕霧太夫玉三郎はひたすら美しい。舞踊とか美しさがウリの玉三郎さんにはあんまし興味がないんだけど、やっとこ出てきて懐紙を下ろした瞬間の息を呑む美しさと空気はさすが。仁左サマ若旦那にはこの人でなきゃ、なのね。喜左衛門夫婦が我當さんと秀太郎さんで、これまた若旦那への愛にあふれている。
贔屓の引き倒しと云わば云え、1月松竹座の鬱憤も一気に吹き飛んだ。ホンマ、次世代がんばってよね。
太鼓持ちが出てくる後半は初見。これは松嶋屋の型なのかな?併せて多少ダンドリも見慣れたものと違って新鮮。

ああ、でも、更に欲望を募らせるのは人間の性か。十三代目の伊左衛門はもっとよかったんだろうなー、なんて。いや、うそ、ごめんなさい、当代でめちゃ満足しました。また観たい。

『曽根崎心中(そねざきしんじゅう)』
終演が21時20分ごろだから泊まりか夜行バスか、はたまた早退して新幹線か。最初はいつものメンバーやし、道行の前で退散しようかという気で固まりかけてたんだけど。
やっぱ折角だし最後まで観なくちゃ勿体ない。宿泊代余分に出て行くのが勿体ないと思うか、滞在時間対交通費やチケット代分のお楽しみで勿体ないと思うか。けっきょく、楽しめるのんでプラスアルファなんだよね。

てことで、初心者ですら何度となく観ている『曽根崎心中』は藤十郎さんのお初に翫雀さんの徳兵衛はじめ、上方勢で占められている。アウェイなのは九平次の橋之助さんくらいか。
お初が徳兵衛の言葉に一喜一憂する姿はホンマかわいい。天満屋での場面は息をつめて観てしまうし、家を抜け出し駆けていくまでやっぱドキドキ。

今回感じたのは、歌舞伎だけど歌舞伎じゃない感覚。型なんだけど型じゃないというか自然体というか、でもやっぱ新劇ではないし、歌舞伎のニオイがする。
藤十郎丈がいつもインタビューで云うてはる「お初の気持ちになりきって自然に身体が動く」みたいなことの反映なのかな?翫雀さんの徳兵衛もリアルな演技で、うーんリアル、てか、写実的?いっしょか。
そのくせ、最後の道行は歌舞伎そのもので、それまでのリアリティが一転して様式美になる。最近、幕を閉めないからか余計にそのギャップがつきまとう。
まあ、なんでもいいんだけど。

ところで。
前から気になっているのだが、藤十郎さんて、ちくのう?
遠目には相変わらず可憐で初々しいお初なのに、あの鼻ズル音で現実に引き戻される。アレがなければもっと世界にのめり込めるのに。
 

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